2018.7.19 陽炎

何もかもが鮮やかで眩しい季節。
緑に揺れる日射しをそっと手のひらに乗せて、遠い夏の記憶を辿ってみれば、目蓋に映る風景は、白い陽だまりと逃げて行く陽炎。

草いきれの頃まで、川の香りと足早に流れる雲を追いかけていたね。
息を切らして夕立から逃げていたっけ。
胸を締め付ける想い。ノスタルジックでもおセンチでも好きに呼べばいいさ。

会いたい人の言葉も温もりも、ひと時だけの夢ではないし、幻ではなくしっかりと色鮮やかに覚えている。
けれど、誰かに会いたいとどれだけ強く思い続けても、哀しく淋しい気持ちには適わない。

何もしてあげられないから、今手の届く人の声を聞いてあげて欲しいと思う。今触れることが出来る人を抱きしめてあげて欲しい。
何もしてあげられないから。いつもより少しだけ指を伸ばせば、その小さな繋がりがきっと早く届くと思う。

同じ空の下で、僕たちが見上げるこの同じ空の下で、何故こんなにも悲しい災害が起こるのだろう。
空が続いているから、伝わるといいけれど。
振り返る道が見つからなくて立ち止まっている。そのことをちゃんと知っているから、と。

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