2015.11.14 幸せの裏返し

枯葉がくるくる回る寒い季節になりました。冷たい風に乗って黄色や茶色い葉っぱたちが小さく踊る。並んでみたり、裏返って離れてみたり、まるで人の心模様のよう。
季節が裏返るように、僕の症状もまた少し進みました。

時の狭間に変化したこと、例えば電動車椅子の肘掛に付いたコントローラー(ハンドル)を傾ける動作が難しくなりました。以前は何とか動かせていたのに、動かしにくい、或るいは、うーん、全然動かせなーい!という日が出てきました。実感できる進行は凹みます。くそー、動かない車椅子って、ただの椅子かー、軟禁状態やん!
ま、僕の症状は僕が分かっていれば良いことで、記録さえ残せれば、それはそれでいいのですけれどね・・・。

人の心を考えるときがあります。「こころ」って何なのでしょうね。目に見えないのにチクチクしたりします。自己、気持ち、身体を操っているのは自分自身の筈なのに、心は簡単に制御不能になってしまう。
ん?また変てこりんで長いブログになりそう・・・。はははっ、別にいいのだ!

思うに、こころって、自分以外のものに触れたときに、喜んだり悲しんだり揺れ動く訳で、必ず自分以外の力で揺さぶられる。一人きりで想い出を綴るときでさえ、その想い出は映像であって、そのフィルムには懐かしい景色や温かい人が映っている。
未来を思い、目を閉じるスクリーンにも、ゆっくりと流れる雲と子供たちの微笑が映っている。
「幸せ」というキーワードで解いてみれば、少しは分かりやすいかなあ。
泣いたり笑ったりするけれど、でも、揺れ動くこころの、その向いている方向は、絶対的に、幸せを目指している。
人の幸せというものは、誰かの不幸せの裏返しなのだろうな、と思ったりします。

最近、また懐かしい便りが重なりました。またまた月の引力? 不思議~。
小中学校以来の親友がいるのですが、彼はずっと何年もアメリカ勤務でして・・・。先日、おー懐かしい、と久しぶりに届いたメールを見たら・・・、何と一人で移動中のホテルで突然倒れて、たまたまチェックアウトの日だったのでホテルマンに奇跡的に発見されて、緊急搬送、緊急手術、緊急帰国、今は何事も無かったように日本で暮らしている、と。なのに、僕の病気の具合はどう?と。
ぬぬぬー、ぬぬぬー。プライベートなのでこの辺りくらいしか書けませんが、自分のことよりこちらの心配を? 嬉しいやら心配で悲しいやら、う~む、う~む。

ということがあったかと思えば、先日、今度は大学のアイスホッケー部のOB会というかOB戦がありまして。その二次会の酒宴から突然電話が掛かってきて、うーむむ、五十歳前後のいいおとっつあん達がよくもまあ氷に乗ったわねー、と、その勇気と若さに嬉しく、卒業以来お会いしていない先輩方も居らして、その声に懐かしく、そこで初めて僕の病気のことを聞いたという先輩や後輩たちの驚きと心配の声に、その優しさと温かさに、感謝と言い知れぬ申し訳なさが込上げてきて・・・。

そういう事件?のあとに今度は、昔お世話になった、陶器への絵付け学校の講師たちのグループ展のお知らせを届けて頂きました。おこがましいですが戦友のような方々の作品を、わざわざ僕宛に贈って頂いた図録の中に垣間見ることが出来て、これまた懐かしくて、嬉しくて、ほっこりしました。

親友の軌跡の生還の場所にも、OB会のスケートリンクにも、グループ展にも、どちらにも自分も行きたかったな、と強く思いました。懐かしい人に逢いたい。優しい人に逢いたい。でも動けない、動かない、行けなかったことが申し訳なくて、やるせなくて、そしてどうしても無念で・・・。

友の生死の境の苦しみの上に無事だったことを喜ぶ僕があって、諸先輩や後輩たちの心配や優しさの上に、込上げてくるものを感じる僕が居て、友人の温かいひと手間の先に、懐かしさや優しさを覚える僕が居る。
自分が幸せや喜びを感じられるのは、その分、誰かが悲しんだり泣いたり心配しているからなんだな、と思います。心を触れ合わないままでは何も震えない。振り子の針など微塵も振れない。

誰かがこんな僕を想い、心配し、心を痛めて、僕に便りをくれる。それはメールや電話という形ではなく、こころに浮かぶ想いそのものが空をぐるりと巡り、そっと僕の心に染み込んでくる。そして僕は、優しさや温かさといった想いを感じる。それは、このブログを読んで下さっている皆さんも同じ。皆さんの想いが、僕を幸せにしてくれています。
これが「縁」なのだろうなあ。

幸せは、誰かの不幸せの裏返し、と思えれば、自分を後回しに出来ますかね。誰かの為に生きなければなりませんね。
この病気の進行が止まらないのであれば、進んだ分、裏返って皆さんに幸せが増えればいいな、と思います。
どんどん長くなるブログですが、いつも読んでくださってありがとうございます。

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