2009.12.15 感じること。
「知ることは、感じることの半分も重要ではない」。
昔聞いた言葉です。僕なりに解釈しています。たくさんのことを見聞きし、たくさんのことを覚え、抱えきれないほどのことを知りえたとしても、“感じる”というほんのささいな行為には適わない、何事につけ、“感じる”ことがとても重要なのだ、ということでしょうか。
とても難しいことです。人は、たった一人きりでじっとうずくまり続けることは不可能です。心は色々な方向へ向かおうとしますが、一人きりで居ると、結局はたった一つの方向へ向かってしまうような気がします。それが前向きなのか、後ろ向きなことへ向かうのかは分かりませんが。
それを避けるためには、出来る限りたくさんの人と会い、たくさんの言葉を交わし、自分の知らないたくさんのことを知ることが必要だと思います。自分を救う手段をひとつでも手に入れるのです。
でも、ただがむしゃらに何かを詰め込めば良いということではありません。
たった一つの、ほんの小さなことでも、心から感じるということが大切なのでしょう。感じずに知りえたことは自分の分身にはなりません。それがとても大きな痛みであっても、真正面から受け止め、ちゃんと自分の心で感じ、自分の心を膨らませなければならないのでしょうね。
知識に惑わされないようにしようと思います。知ることはとても大事ですが、それは感じることの半分も重要ではないのです。
今日も、寒い一日でした。コートの襟を立てながら足早に通り過ぎる人たちを、遠巻きに眺めていました。みんな何処へ向かっているのでしょう。
今、横浜美術館で「束芋」展が開催されています。
この名前を聞いてピンと来る方はかなりの芸術通。全然ピンと来ない方は、是非美術館へ足をお運びください。僕も先日観てきました。
何かを感じて帰ってきました。
<束芋:横浜美術館>